私は「通訳案内士」という国家資格を持っているのですが、今回はこの資格についてのお話です。
結論から端的に書くと「皆さんぜひこの資格取得を目指して「通訳案内士」資格試験を受験しましょう!」という事です。
忍者ハットリくんと半蔵門線から始まる好奇心
通訳案内士というのは日本に観光に来た外国人に観光地の案内を外国語で(私の場合は英語で)行うのがメインの仕事なので、学校で習う日本史・地理の勉強よりもずっと「現在でも直接見たり触れたりできる観光スポットや歴史物についての勉強」を英語ですることになります。
(まあ一次筆記試験の段階ではあくまで”試験勉強”であることは変わらないのですけど…)
学校で習った歴史を暗記する必要ももちろんあるのですが、仕事として外国人に観光案内する事を想定すると、いかに面白く興味深い内容を伝えるか?という事を考えるので、そういう意味では自分が日常の生活で古い歴史と直結した出来事などに興味を抱いて、そこから勉強したり調べたりする事が非常に重要な事となります。
例えば東京に住んでいたら、地下鉄は毎日の生活・通勤には切り離せない身近なものだと思いますが、では地下鉄の「半蔵門線」「有楽町線」の名前の由来は何だかご存じでしょうか?
「半蔵門」「有楽町」は、それぞれの線が通っている土地の名前なのは関東在住の方ならすぐにわかると思いますが、そもそもその土地名は皆がよくよく知っている人物の名前由来なのは知ってましたか?
(豆知識としては有名だしネットなどでも書いてある事が多いと思うのでご存じな方が多いと思いますが、私は恥ずかしながら「有楽町」の由来は割と最近まで知りませんでした。)
まず「半蔵門」ですが、これは超・有名な忍者の名前からとったものです。誰でしょう?
答えは・・・まあ画像やタイトルで丸わかりですよね。そう「忍者ハットリくん」です。

嘘です!!
でも、ほぼ正解と言ってOKな位に実は近い答えです。
漫画や小説に登場する忍者と言えば、忍者ハットリくんの他に、ナルト、カムイ、サスケ、霧隠才蔵、そして服部半蔵(はっとりはんぞう)等が有名どころですが、半蔵門の「はんぞう」はこの服部半蔵の名から来ています。
上記の忍者達がみんな漫画・小説で作られた架空の人物であるのに対して、服部半蔵だけは実在の人物なのです!!
(ここで忍者に関する話が出てくるのは、もちろん私が何十年も前に「楓牙」という忍者の話の自主映画を制作する際にシナリオ考で忍者の文献を色々と読んでみて、興味深い歴史の面白さを改めて知ったからです。通訳案内士受験もきっかけはそこからですが、色々と長くなるのでそのあたりはまた後日書きます)
服部家と服部半蔵という名前
忍者集団というのはざっくり書くと、その始まりとして「悪党」(領主の税金払うのが嫌で力づくて反発して独立し始めた地方の一族郎党のチンピラ集団)とか、関所を自由に行き来可能だった坊主や芸人達の一族だったのですが、服部家というのは割と古くから徳川家康に武士に近い地位で仕えて活躍していたっぽいです。
そして服部半蔵というのは特定の誰か1人の名前ではなく、服部家の代々の棟梁が受け継ぐ名前でした。
徳川家康が天下を治め江戸城を築いた際に、お城の各方面の門の中の1つを服部一族に管理・防衛を任せたことで、その周辺に服部一族が多く住み、その事からその地域が「服部半蔵一族が守る門」という事もあり「半蔵門」と呼ばれるようになって今に至ってます。
それが現代の地下鉄の名前にまで使われるようになっている・・・とよくよく考えるとものすごく長い歴史物語があるのです。
なんか、こういう風に日常生活にどっぷり関連している現在のテクノロジー物が大昔の歴史(特に忍者とか架空にしか思えない位に非現実的なもの)と大きく関連している話を聞くと急に歴史が身近に感じるというか興味が沸いてきますよね。
学校で日本史を勉強していた時は、年号暗記のしんどいイメージと、似たような名前の大量の人物の暗記のつまらなさしか記憶に無いのですが、もっと授業でもこういう身近なところで興味持てる部分を多くフィーチャーしながら進めて欲しかったなぁと思ったりします。
(先生はしてたのにこっちが聴かずに寝てたのかもしれないですけど)
織田信長の弟だのオランダ人だの
長くなるのでここで詳しくは書きませんが、有楽町線の「有楽町」は「織田有楽斎(おだ うらくさい)」という人物の屋敷があった場所から由来しています。
この織田有楽斎という人物はあの日本史上もっとも有名なスーパースター(?)である織田信長の実の弟です!

有楽町線に乗っていて、それがあの信長様の弟の名前を冠した乗り物だと意識して乗った事ありますか?

坊主・信者や敵方を総計するときっとを何十万人も無慈悲に虐殺した、そんな時代・人物の織田信長と、地下何十メートルも掘った穴の中を爆走する鉄の塊のテクノロジーである地下鉄が、何百年もかけてそういう関係になっていくという事実に壮大な奇跡とロマンを感じてそれだけで感動しませんか。
・・・伝わるかな?笑
全員にこの感覚が伝わるとは思いませんが、「何かわかる!」って人は通訳案内士の受験勉強をしてみて損はないと思います。笑
(※ちなみに東京・八重洲の名前は、同じく徳川家康と関係が深かったオランダ人の「ヤン・ヨーステン」という名前からきているらしいっス!)

通訳案内士の実務
今回書いた内容はほとんど雑学的な内容なので、もちろん通訳案内士資格試験に直接的に出題される内容ではないのですが、こういう興味から試験勉強が楽しくなりますし、仕事として通訳案内をする場合はこういった雑学的な知識がむしろ重要になります。
私は英語力も歴史・観光・日本文化の知識やこういった雑学力もそれほど高くないですが、現役で通訳案内士を長くされている方々というのは様々な知識を備えていて凄いし素晴らしいなぁとただただ感心するばかりでした。
(試験合格後に研修で多くの現役ガイドや新人ガイドの方とお話する機会があったのですが、皆さん知識豊富だし向上心が高くて素敵です。しかも豊富な知識を外国語でジョーク交えて伝えるわけですよ。凄すぎます!)
それと観光ガイドで案内する場所というのは外国人が訪れる場所がメインとなるので神社仏閣の案内を想定して勉強することが多いです。
勉強してみて気が付くのは、いかに自分が日本人でありながらお寺も神社も全然理解していなかったか!?という事でした。
「神社」と「お寺」の違いとは?
正月には神社に行って初詣して誰か亡くなったらお寺にお参りに行って、意識はあまりしてないけど実はみなさんの家の近所には(というか日本中どこへ行っても)多分そこらじゅうにお寺や神社があると思います。
お寺と神社の違いってわかります?
この辺の話を掘り下げていくと有名な観光地の神社仏閣だけでなく、近所のお寺や神社へ行った時も「なるほどね」とか思って新鮮な目で眺める事ができるようになります。
このあたりは色々と書きたい事が多いですが長くなるので今回はこの辺で・・・。
でも興味が沸いたらぜひ皆さん「通訳案内士」の受験内容など調べてみてください。

資格として取得の意義はない???
ド正直に書くと資格をとってもほとんど意味はないですので受かる必要もないです!ここだけの話、作成されるテストは最低の出来というか・・・ヒドイです。笑
制度や監督官庁や時代的な事もあって様々な問題を抱えた資格試験だと感じています。国家資格なのに…。
それでも!その勉強内容は確実に日本人としての生活・人生を豊かにしますし、英語の勉強で外国人と話す時にも知っておくと絶対に有意義ですよ!!
0007-通訳案内士(国家試験)受験のススメ(忍者ハットリ君と地下鉄半蔵門線から始まる好奇心):終

